腰椎分離症の保存療法(コルセット固定とスポーツの禁止)について
腰痛に悩まされる学生さんは多くおられます。
特にスポーツをしている学生の方が悩まされる腰痛と言えば「腰椎分離症」です。
腰椎分離症でスポーツを禁止されている学生もよくおられます。
今回は、そんな腰椎分離症についてまとめてみました。
腰椎分離症の病態
腰椎分離症は腰椎椎弓疲労骨折とも呼ばれます。
腰椎分離症とは腰椎椎弓の関節突起間部という部分が疲労骨折した状態です。

成長期に腰を捻ったり、反らしたりする運動を頻繁に行うことで、腰椎にストレスが加わり疲労骨折すると言われています。
成長期に好発しやすく、この時期の骨強度が弱いことや、骨の成長と筋肉の成長のギャップにより引き起こされやすいとされています。
また、成人した方の腰椎分離症は成長期に疲労骨折したものが偽関節化したものです。
Point
偽関節とは骨癒合が起こらなかった、骨折の後遺症。異常な可動域が見られる。
このような成人した方の腰椎分離症では、ほとんどの場合で腰椎分離症と腰痛に関係はなく、リハビリで痛みの改善が期待できます。
骨折した部位は治るのか?
早期発見・早期治療できた場合は骨が癒合することが多いです。
しかし、腰椎分離症の進行度合いが末期の場合は骨癒合は期待できません。
単純X線で腰椎分離症が確認できる時期はすでに末期の状態で、コルセットなどは必要ないと言われています。
また、腰椎分離症の初期や進行期の場合、コルセットの装着により骨が癒合する可能性があります。
腰椎分離症の進行度合いを判断する場合には単純X線だけでなくCTとMRIの両方を用いて判断する必要があります。
特に初期や進行期を見極めるための早期診断にはMRIが最も有用となります。
腰椎分離症にコルセットは必要?
上記でも言ったように、腰椎分離症の末期(単純X線で確認できる)の状態ではコルセットは必要ありません。
無用な固定をして、スポーツを禁止することは避けましょう。
また、腰椎分離症の初期や進行期ではコルセットが必要です。しかし、コルセットの固定期間は数ヶ月を要します。
たしかに骨癒合が期待できるのですが、選手のおかれている状況によっては数ヶ月のコルセット固定を受け入れられないこともあります。
思春期のスポーツをやりたい時期に本当にコルセット固定やスポーツを禁止するのかは、その選手、保護者、指導者と相談したうえで決めて下さい。
腰椎分離症の痛み
腰椎分離症の初期は激痛が生じますが、末期になると腰痛は軽減します。
この腰椎分離症初期の激痛は体操やストレッチで軽減することが難しく、コルセットによる固定やインナーマッスルトレーニングを痛みがない範囲で行うことが勧められます。
また、腰椎分離症には椎間板性腰痛を合併することが多くあります。
Point
背骨は椎骨と椎間板が何重にも積み重なって構成されています。
椎間板は弾力性があり、背骨にかかる衝撃をクッションのように吸収・緩衝してくれます。この椎間板の衝撃を吸収する働きが弱まると、腰にかかる負担が大きくなり、椎間板が亀裂が入ることで腰痛が現れます。こうした病状を椎間板性腰痛と言います。
初期の激痛を改善することは難しいですが、椎間板性腰痛の痛みの場合は体操やストレッチで痛みの軽減が期待できます。
体操やストレッチで痛みが軽減できる場合、腰椎分離症末期の状態であることが多く、腰痛の原因は腰椎分離症ではなく椎間板性腰痛にあるということです。
このような腰椎分離症末期の状態で体操やストレッチで痛みが軽減できるのであれば、コルセットによる固定や無駄にスポーツを禁止する必要はありません。
腰椎分離症の再発
コルセット固定によって骨が癒合しても、受傷前と同様にスポーツ活動を行うと再発する恐れがあります。
腰椎に加わるストレスを減らさなければ、高確率で再発します。
腰椎に過剰なストレスが加わる原因は、脊柱・骨盤の可動性が低下していることが大きく関係するので、コルセット固定が外れたら、脊柱・骨盤の可動性を高めるような体操をしっかりと行うことで再発を予防できます。
まとめ
学生の方で腰椎分離症で悩まされている方は多くおられます。
思春期のスポーツを行いたい時期にもかかわらず、コルセットで腰を固定され、スポーツを禁止されるのですから、精神的なストレスも想像できます。
たしかに骨癒合が期待できるのであればコルセット固定が必要です。
しかし、学生さんの中には腰椎分離症末期の状態であるにもかかわらず、コルセット固定とスポーツを禁止されている方がいます。
腰椎分離症の進行度も把握しないまま、コルセット固定を行っていることがあるのです・・・
このような末期の状態でコルセット固定とスポーツを禁止して、数か月後に骨は癒合してないとなると悲惨です・・・。
本当にコルセット固定とスポーツを禁止するべきなのかを、単純X線だけでなくMRIも用いながら判断する必要があります。


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